本スクールは終了しました。
多数のご参加、ありがとうございました。
概要
格子上の場の理論は、場の量子論を非摂動論的に定義・計算する手法であり、 素粒子物理学の中でも大きな分野となっています。 この夏の学校は、約10年ぶりに日本で開催される大型の格子ゲージ理論・格子上の場の理論のサマースクールです。 格子上の場の理論の基本概念、枠組み、アルゴリズムの開発、および応用の最前線に触れ、 格子QCD分野への入門を行いたいと考えており、また、若手同士の幅広い交流も目的とします。 場の理論および格子QCDに関心を持つ修士および博士課程の学生・若手研究者を主な対象としていますが、 上記テーマに興味をお持ちの方でしたらどなたでも歓迎いたします。
場所と日程
- 筑波大学東京キャンパス (東京都文京区大塚) 134講義室
- 開催期間: 2024/9/9(月)-2024/9/13(金)
トピックと講師
- 場の理論の導入: 大野木哲也 (大阪大)
- 経路積分: 渡辺展正 (京都大)
- 標準模型とQCDの基礎: 北原鉄平 (千葉大)
- くりこみ群と連続極限: 山田雅俊 (吉林大)
- 格子ゲージ理論: 山﨑剛 (筑波大)
- 格子フェルミオン: 菊川芳夫 (東京大)
- MCMCとHMC: 金森逸作 (理研)
- クォークソルバー: 石川健一 (広島大)
- ゼロ温度: 富井正明 (BNL)
- ハンズオン: 永井佑紀 (東大)
- 有限温度: 大野浩史 (筑波大)
- 量子計算: 谷崎佑弥 (京都大)
- 機械学習: 富谷昭夫 (東京女子大)
(敬称略)
時間割
9/9 (月) | 9/10 (火) | 9/11 (水) | 9/12 (木) | 9/13 (金) | |
---|---|---|---|---|---|
10:00 - 11:30 | - | 経路積分 [ノート] [スライド] |
格子ゲージ理論 [スライド] |
クォークソルバー [スライド] [サンプルコード(1D Helmholz方程式 CG solver)] [サンプルコード (1D Wilson Fermion BiCGStab solver)] |
有限温度 [スライド] [Polyakov loop計算 jupyter notebook] |
11:30 - 13:30 | 受付 (12:30-)・開校式 (10分程度) | - | 写真撮影 | - | - |
13:30 - 15:00 | 場の理論の導入I: 群と表現 [ノート] |
標準模型とQCDの基礎 [スライド] |
格子フェルミオン [スライド] |
ゼロ温度 [スライド] |
量子計算 |
15:30 - 17:00 | 場の理論の導入II: ハミルトン形式の場の理論 [ノート] |
くりこみ群と連続極限 [スライド] |
MCMCとHMC [スライド] [サンプルコード (円周率計算)] [サンプルコード (HMCを用いたガウス積分)] |
ハンズオン [スライド (part 1)] [part1 jupyter notebook] [スライド (part 2)] [part2 解答] [スライド (part 3)] [part3 Juliaコード1] [part3 Juliaコード2] |
機械学習 [スライド] |
17:00 - | - | グループセミナー (17:20-18:50) | 懇親会 (18:30-20:30) | - | 閉校式 (10分程度) |
グループセミナー
学生の現地参加者の皆さんの交流の場として、以下の通り、グループセミナーを開催します。
- 日時: 9/10 (火) 17:20 - 18:00 (第一部)、18:10 - 18:50 (第二部)
- 会場: 講義会場と同じ (オンラインでは参加いただけません)
- 内容:
- 数名のグループに分かれて5分程度の発表・質疑を順番に行う。
- 発表はグループメンバーを変更して2回行う。
- 発表内容は本スクールの趣旨に沿ったものであれば基本的に自由。自己紹介と交流が主な目的。例えば、
- 過去・現在の自分の研究の紹介
- 興味を持っている研究のレビュー
- 漠然と将来研究したいと思っていること
- 先輩に聞いてみたいこと
- etc…
- 発表形式: 発表内容をスライド1ページにまとめたものを共有 (スライドの提出方法は以下で説明)
学部生から博士課程院生まで幅広い方が気軽に参加できるよう、発表内容の自由度を高く設定しました。 和気あいあいとした雰囲気で行いたいと思いますので、ぜひ参加をお願いいたします。
参加される方は、別途連絡する要領に従って参加登録をお願いいたします。
多くの皆さんの参加をお待ちしています。
ハンズオン
9/12 (木) 15:30 よりハンズオンを行います。LatticeQCD.jl やGaugefields.jl 等を用いて実際に計算をやってみます。全体は3部構成で以下のように行いたいと思います。 参加したい方は、パソコンを持って来てください(オンライン参加の方は、基本的に聴講のみの対応です)。
Julia言語 は2018年にバージョン1が公開されたオープンソースの科学技術計算言語で、 Fortranの様に高速でかつPythonの様に生産性の高い言語です。 LatticeQCD.jl は格子QCDの数値計算を行うためのJulia言語で書かれたオープンソースのソフトウェアで、 インストールから実行開始まで5分以内に始められる、4次元SU(3)ダイナミカルフェルミオンを扱える本格的なコードです。
- Julia のインストール、Jupyter の立ち上げ (永井)
- LatticeQCD.jlの概要 (初心者向け、富谷)
LatticeQCD.jl をJupyter notebook で走らせます。Quenched QCDの配位を熱浴法で生成しπ中間子の質量を計算してみます。 - Gaugefields.jlを少しいじってみる (玄人向け、富谷永井)
実際にQuenched QCD (heatbath/HMC)のコードを打ち込んでみて、Polyakov loopの散布図を見てみるなどを考えてみます。
18時までなら教室を使えるので、残ってやりたい方は17時以降もしばらく続けてもらうことが可能です。
参考文献
- 動画: LatticeQCD.jlで始める格子QCD【Julia in Physics 2021】
- 動画: Fortran から始めるJulia【Julia in Physics 2021】
- 書籍: Juliaではじめる数値計算入門 永井佑紀 著
- 書籍: 1週間で学べる! Julia数値計算プログラミング 永井佑紀 著
旅費補助
以下の通り、学生に対する旅費補助を行います。
-
宿泊費: 9,200円/泊 (定額)申し込み多数により減額とさせていただきます
- 上限: 一人当たり総額8万円程度
- 学振や研究室等の財源がある方はご遠慮ください。
- 財源の都合により、ご希望に添えない場合があります。補助の可否が決定しましたらご連絡します。
- 補助を受ける場合、事務手続きに必要な書類は、速やかにご提出ください。
参加登録
本スクールは終了しました。
締切
- 対面参加: 登録を締め切りました。
- 旅費補助必要: 2024/7/7 (日) 23:59 JST
- 旅費補助不要: 2024/8/18 (日) 23:59 JST
- 会場の定員に達し次第、対面参加の受付は締め切らせていただきます。
- オンライン参加:
- 随時参加登録可能
ポスター
研究室に掲示して告知していただけると幸いです。
お問い合わせ
以下のフォームよりお問い合わせください。
主催
筑波大学計算科学研究センター
世話人
大野浩史、藏増嘉伸、富谷昭夫、山崎剛 (順不同)
本スクールは、 「富岳」成果創出加速プログラム JPMXP1020230409「超大規模格子QCDによる新物理探索と次世代計算に向けたAI技術開発」、 学術変革領域研究(A) KAKENHI 22A202「学習物理学の創成」、 学術変革領域研究(A) KAKENHI 24H00940「テンソル繰り込み群による場の理論におけるエンタングルメント・エントロピーの研究」、 基盤研究(A) KAKENHI 24H00214「テンソルネットワークが拓く計算素粒子物理学の新たな展開」、 基盤研究(B) KAKENHI 23K25891「素粒子標準模型を超える物理探索に向けた格子QCD精密化」 からの補助を受けています。